イエローダイヤ・マン《標榜編》〔341〕女性を見るときは普通、瞳とか顔の表情とかが先だがこの奥様に関してだけは違っていた。背筋がピンと伸びてしかもしなやかで、スタイルそのものが良かっただけでなく小顔だったのだ。俺はドキドキしながら又伺います!!とだけ言って店外に出た。言葉交すのが精一杯というときがあってドキドキがテッパンまで行き有頂点になってしまう・・・。すると奥様は俺の背中にこう声掛けて来るのだ。正社員決まったら皆でラーメン食べにいきましょうね?って。俺は笑顔で振り向いた。しかし正社員が決まったからと、いちいち訪ねていくのも失敬かも?って中々行けないうちにもここ萩に転勤になったのだ。俺にとって奥様の存在こそは理想の彼女像で、こういう女子なら十歳年上でも構はないかも?ってそこまで踏み込めるのも自分の身、粉にして店繁盛の為に笑顔絶やさずに頑張っているあの姿・・・。自分の為だけではなかったはずだ。家族の為に旦那の為にすべて犠牲に出来た姿に元来の俺の感性が刺激されて今の女性達にはないであろう、貴重なものが瞬く間に開帳されるのだ。俺がもしもコンビニ開業したならここまで伴侶は踏ん張れる?きちんと毎朝四時に出て来て作業着になれる?って。美魔女でありながら奥様にはめっちゃ根性があったのだ。