サファイア・マン《かけがいのない男編》〔155〕昼間ようやくようちゃんのゴリラ脳がエンジン全開になって来る頃、ベビーカーを押しながら下の子をオンブして西鉄ストアに行こうとしていたときです。固定電話が鳴って、仕方なくおぶったまま受話器を取ります。シゲルちゃんなのです。どうしたの?俺のUCカードがどうやら盗まれて勝手に使われているみたいなんだ・・・ええ?盗まれた?落としたのかもしれない・・・。そ、それって・・・いいか?犯人は俺のサインまでご丁寧にやってのけて一杯カードで買い物しているんだ、ただ確かめるだけで電話したから、もう切るぞ?違うのよ!!待って!!ええ?どうしたんだ?そのサインは私がした!!シゲルちゃんは絶句したまま次の言葉を待っています。ほらあ、この前、お部屋でお馬さんがゆらゆら揺れて楽しいからってイワタヤで私にカード渡したじゃない?二万円するものだったけど在庫なくて今週中にも新品を配達してもらうようにって、カード渡してくれた・・・。ああ、あの時かあ、俺が渡した?ええ、それで、他にも一杯欲しいもあって購入しちゃったのよ!!ええ?じゃあ、容子だったのか??UCのみんなに早くそのこと言ってよ!!泥棒扱いされちゃあ、たまんないわ!!って電話切ったものの旦那の帰宅が怖かったのは言えます。ようちゃんはおんぶ紐を解いて一旦家にとどまることにしたのです。