エメラルド・ウーマン《深窓の令嬢ダブリュー編》〔46〕短大入学時しかチャンスない!とそう見切りを付けて実家諫早を出たことは正解は正解だったんですがもろもろがあっていいことばかりではなかったのです。マンションやアパートではなく母の勧めもあって個人が営む寮を選んでしまうのです。そこには長大生や看護学生もいてストレインジの様相。わくわく感があったものの几帳面な性癖の里子はまず夜にドアをとんとんされて参ってしまいます。自分がいないことを標榜出来ないのです。それもあって、外出を頻繁に行なうのです。外に出ることが多い、すなわち留守だ・・・とわからせようとしていた気配はあって、寮とアパートの相違点を嫌というほど味わった短大時代になるのです。居留守が使える!!が目下の目標で、短大卒業というときに今度は平野町という長崎ではゴージャスな富裕層の住む場所に閑静なアパートを借りるのです。里子はホテルフロントの正社員をゲットしたもののまるで仕事に慣れないんです。ずっと夜番とかずっと朝番を選べずにとうとう忘れ物の一件で仲良くなった博多のセールスマンと結婚を決めてしまうのです。セールスなら先行きが心配だわ!!と里子がいったことで、内勤にまで転換しての結婚だった。思い巡らせば里子ほどわがままなナオンはいなかったのです。