サファイア・マン《かけがいのない男編》〔152〕完全を求める気持ちはその頃、今より一層顕著でキャロルはこの第二の結婚で自分の過去さえ葬ろうとした形跡があるのです。学生時代オチコボレだったことです。今はこれをレボコチョオとそう呼称しているので注意喚起して下さい。これもひとつの人生に於ける実験だったのです。人は自分の過去の一部を結婚によって消去出来るのか?福岡時代なら可能でした。父も口が堅かったし、シゲルちゃんには自分が高校時代に留年しそうになって転校したことはまだ、話してはいなかったからです。しかし・・・この計画は四年後宇部にいってすべて崩壊してしまうのです。伯母が泊まりに来て何泊かしている内に子供達全員の耳に入るのです。この大橋の時代がだからある意味、貴重なのです。シゲルちゃんが最初からきちんと結婚式からやってくれたらキャロルの人生の完成はもっと早くにあったのかも?と。しかしそういう無駄な話は止めましょう。キャロルは保険会社の彼女がクルマで迎えに来て全然別の空間に立ったときに、自分の悩みが消失することにヒントを得ます。そのバースデイが質素でカレーライス&から揚げパーティだったことで庶民の髄を味わい感動するのです。どこぞのブランドのケーキではなく彼女御用達のスーパーマーケットの二個入りショートケーキの盛り合わせだったことが心憎かったのです。