ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔208〕四年生で初めて男性教師にあたってキャロルは男性というひとつの標榜と対峙し、それまで幼稚園時代から女性の先生ばかりだった時とは違った構想を練らざるをえない自分を展開していくのです。これまでと、これから・・・それは随分わかりにくい仕組みになってはいたものの、担任は堂々とお前の欠点はな・・・と喋りかけてくる。ヒトコトで、煩いことだ!!って。その時に直感したのは自分は男なのでは?という性に於ける分類でま・さ・か?とも勘ぐります。もしも列記とした女性なら男性教諭におしとやかになれ!!って言われているのも同然のとき少しはうろたえるはず・・・。キャロルに起こったのは不可思議な領分だったのです。男だとすれば堂々としていていい訳で、お前は煩いな!!と注意されても、欠点とまで思わないはず。キャロルは自分の身の上が只ならぬことを密かに胸に刻みます。このことを実は母は知っていたのでは?と随分後になって気が付くのです。洋介〔ヨウスケ~〕と呼んでいた時期もあったからです。間違って女性として生まれてきたけど心象は全くのやさ男・・・あわよくば性に於いても?そうならば分かり易くなることばかりでここまで辛抱出来た訳もおのずと解明する。日本男児だからこそ歯を食いしばって来れたのなら本望です。