サファイア・マン《面白い男編》〔148〕身を粉にして子供達の犠牲になるのが母の務めだ!と彼は思っていた節があってもまだ新婚。暴言も少ないし自分が無届という落ち度もあって微妙な均衡を保っていた家庭生活で、こっちがいろいろ追求しない替わりにキャロも自己主張していた時期になるのです。落ち込むことは全く無かったし、それは自分の周囲でどんな思想が蠢いていても世はバブル・・・っていうのもあったのかもしれません。銀行はここで多くの不良債権を作ってしまいにっちもさっちも行かなくなっていくのですがどこか観念の世界に浸っていられる安堵もあって、自分の立場をわかっていたのかもしれません。伯母は盛んに電話してきて、一歩も二歩も下がっていなければいけないよ?男女平等だと思ってたらそれは大間違いだからね?を連呼してきます。こんなにニッポンを愛する女性もいないし、伯母は海軍記念日に誕生したこともあって男勝りだったのです。伯母はきっと夫について行けずやがてリタイアしていく姪を頭に描いていたに違いないのですがこれもコマっタちゃんでした。まだ・・・銀行にも届けてないのにリタイアもスッペタもないでしょう。ここで・・・ああ、彼を支店長にしない限り自分は妻としては評価されないことに気がつくのです。