俺がどん底に追い込まれる時があって、それは言葉の攻撃に見舞われるとき。あいつは容赦なく俺のバンカー時代の失点を言う。知り会って結婚した直後4年間と定年する前の2年間。この計六年を徹底攻撃し、その六年間が彼方の墓穴!!掘ったシャベルもきちんと保管してあるのよ!と喧しい。俺は昨日豊洲界隈がテレビに映っていて思い出す・・・築地から豊洲あたりまでよく出張のとき歩いたのだ。この辺りは当時安かった。マンションをなぜ、買わなかったんだろう・・・と後悔する。結婚せずひとりでいた方が佳かったかもしれないな・・・と。バブル云々ではなく俺たちには特別の情報があって焦げ付いた債権など銀行が手に余る物件が山程あって、月島界隈のそれに当時の俺は迷った。買うことをしていたなら今のようにあいつから責められることもなく都心でひとり優雅に生活していただろう。東京はやはり老人にとっても夢なのだ。俺は最初の失敗と最後の失敗をこれだけ非難するあいつが夜叉にしか見えない。デルスカイしておこう。月島路線はユメの果てへ・・・