ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔203〕とかく大人の世界はことごとく難儀だな・・・とキャロルはそこへ足を踏み込ませることを躊躇しつつも、彼らを何が動かしているか瞬く間に知るのです。それは主にお互いをけん制しあう態度で言葉が鍵になっていました。誰がもっとも統率力を持っている訳でもなく皆がそれぞれちぐはぐにも物を言うのでまるで父が正しいように見えはするものの、核心が違うことにキャロルは閉口したのです。行動の規範は思想のはず・・・。しかし知識があってもダメ!!この家ひとつとってみても皆がばらばら・・・。気を引き締めたのです。大人たちの言葉に首を突っ込んでも正しいことを見分けられないのなら何に批准が?そこは懐疑でしたが、キャロルは友達ブレーンに恵まれました。自分の心を闊達にするユーモアの世界にどんどん引き擦り込まれていくのです。どうあがいても人生は楽しいか?それともつまらないかで区分されていく。それなら人生を快活に過ごすことの方が何倍も優れるのではないのか?知識だけ秀でる者達の毎日の論争を見て、嫌気が挿してきたのかもしれないし、父がその中であたふたするのがマイドの光景でいつか・・・悟った。教育者の限界も同時に見ていたのかもしれません。