ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔200〕うどん屋のカウンター席でなく、彼女は二席あったボックスへたびたび訪れるようになるのですが、そのたびに、人生で最も大事なことを教えてくれるのです。理由があってそのうどん屋を二年ほどで辞めるんですが、それからも彼女とは連絡を取り合っていたのです。余りに沢山のものを持ち込む人生の愚かさを彼女は説いてくれて、人間関係の特に家族に関して、結局最後に自分を救うのは誰でもないのよ?あなた自身なの!ってきっぱり言うのです。お金がなかったことで彼女お勧めの化粧品を見ることはなかったですがセールスの最前線にいるようでびっくりしたのです。結婚式も参列しましたが彼女はそれから十年後には離婚、お一人様の暮らしを満喫しているようで、親御さんやお姉さまもいらしたはずなのに、結局彼女は強いとしかいえず、孤独を愛する人生を選択したことがある種の治外法権のような違和感もありました。彼女には彼女しかわからない価値観がそこで発動していることが自明でそれを大切にしてあげることが何よりなのでは?病気を克服した喜びを語るとき彼女はえもいわれぬ表情を見せ、夕月のカレーを賞賛するのです。それは古くから長崎にあったカレーで彼女がずっとでそれを食していたことが印象的なのです。