イエローダイヤ・マン《標榜編》〔253〕俺達がテレビゲームに明け暮れてその余韻を満喫するようにスロットやパチンコに嵌った時代に警鐘がなされ、物事が進んでいく時に必ず架かってくるストッパー的な慣わしに驚嘆する俺で、利益が少なくなったぱち屋というよりもこれが遊戯場を生活の場とするチャレンジャーたちにとっては辛い場面とも取れて自身が今していないからとそそくさと見限れる問題ではない。俺にもあそこに行けば必ずいるという友人が三人はいてスロプロ軍団だ。しかしかつての仲間たちは俺が二度とはパチを弾かないどころかスロにも貢がないことを知っていて、ある種の寂しさは免れずしかしそこに俺が参上するだけで、みんなが懐かしがって、過去帖を取り出しては思いに耽るというのはあるかもしれない。俺は正社員になったからパチ屋から去ったのではないのだ。どうしようもないジレンマから逃れたかった口・・・。実は彼女としょっちゅう入っていた。パチ屋デートをしていたのだ。俺のせいで彼女が即貧乏になっていったのが目に焼き付いていて、確かに散財することで、俺にパチスロの力は付いていったが、彼女がげっそりと痩せていった。終いには俺はこの業界で生き長らえることの究極から逃げた。俺こそは負け犬だったのだ。