サファイア・マン《面白い男編》〔142〕長男は心眼を持っていてそれでも長女の小学三年生に比べてまだ、小1。家族の構成についてを綿密にいうことは手厳し過ぎかも?と最初は思うものの意外なほどに昔の人は冷徹で、厄介者と同じような身分なんだからちゃんとお父さんの言うことを聴くように・・・と父など平気な顔で長男に促すので不快に思ったことも度々でした。昔の人々は仕えることに対してシビアな第一認識でいたようです。家の長は所帯を預かる稼ぎ頭で、その下にいるのが家長がいないと食えない人達。そこまで辛辣に表現しても無理がないくらいに父は冷たくて、そうじゃないんだけどなあって、キャロルは今のように育メンが重宝されるその当時ではなかったものの、いつかはそういう風潮がやってくるに違いないと思った口でした。しかしキャロルの場合、話し合いもなしで、連れ子たちを福岡まで呼んで転校もさせた。そこに亭主としてのメンツをめちゃくちゃにされたというような彼の本心があるなら透けて見させて貰えたらな・・・というような願望的視野もあったことは言えるでしょう。複雑な結婚に不可欠なものはいたわりや話し合い。それをすっ飛ばしてきた自分のワガママを長女と長男は理解出来うる年齢だったことが救いでした。