カネを持った人間の疑心暗鬼を俺はある程度予測出来る。彼らが守銭奴といわれる所以もわかるし、自分がカネを貯めた一時期があるからわかるのではない。俺が四十年間バンカーを勤めたからだ。カネを持った人間は原則として知ってしまうのだ。自分の何を求めて周囲が群がってくるか?そのいたいけな人間としての初速がいかに速いかが金持ちをびびらせるし、カネのない人間がその本能として培って久しいのは、金持ちに仕えたい願望だ。俺が結婚のときにあいつに心を開けなかった原因や要因にも相当する。貧富の差違が人類をこうまで強打し、お互いを分け隔ててしまうものなら俺の動作がきっと為になるのではないのか?あいつと結婚した当初から四年間もの間・・・。俺は自分の預貯金がこやつの為に減ることを嫌がり、とことん攻防した・・・そして逆もあった。会社に届けなくてもいいようにあいつに従って見せて、あらゆる贅沢も経験した。デルスカイしておこう。四年間の家庭大学だ!!