サファイア・マン《かけがいのない男編》〔140〕彼女を襲っているのは結婚倦怠期・・・。ここを上手く通り抜ける手腕をキャロル自体持ち合わせていないことが難関で、彼女を襲っている倦怠は日常現われる精神的病魔のようなものでは?と推測するのです。相手が結婚当初のようには大事に扱ってはくれないことが気に食わないなど、キャロルにとってはワガママでしかなくそこはクールでした。母はどっちかというと結婚で興ざめてしまったような経験を積んだことで、自分自身も結婚にユメを描けない女子に育った口かもしれず麻央さんの発言をずっと聞いていくうちに彼女はこうはっきり言っていることにドキっとするのです。色取りがある人生・・・というセリフで、色取りとは何を指すのかな?って六十台に突入したキャロはそこを丁寧に読み解きます。結婚とは女性にとって、ユメを叶える手段だった可能性も高くて、家庭で殉死したくらいに努力を積んだ麻央さんがいらっしゃる一方で、こういった倦怠期にみずから突入して喘ぐ方もおられて女性の生活史こそ侮れないな・・・と。倦怠期はそもそも夫婦どちらにも責任があってしかるべきなのでは?と。しかし彼女を敵に回したくない情はすでに働き、どうしても男性の努力不足のように先行してしまう自分がいることにある意味驚くのです。