イエローダイヤ・マン《標榜編》〔214〕久し振り友人と飲んで俺は大リーグのことを余り知らないはずの旧友がこういってきたのにはタマがった。頭打ちのように感じたのだ。彼がいうには年棒二十億のエースピッチャーがいるとする。年間二十試合に出て、一試合百球投げるとして勝っても負けてもリアルこういう計算が成り立つのでは?と俺にたたみ掛けてきたのだった。一球投げるたびに百万円入る計算にならないか?って。正直頭の中が混乱したしこういうストレート打法で来られると俺も反論したくなる。一球がストライクでもボールでも百万円だろ?って言われたときにすぐさま黙ってしまった。相手にスキを与えてしまったかも?と時間差を伺い、彼の次の言葉を待っていた。学生時代から等価交換に詳しい彼は俺にスロットを伝授した師匠でもあったので、彼が何を言いたくて、この問題を言ってきたかが暗にわかったからだ。彼はこう付け加え総論を呈してきたのだ。文系の奴らが、俺たち理数系に決して勝てないけれど、どうにかこうにか首を繋いで今日に至るのは計算を避けたからだ・・・と。俺は爆笑出来なかった。・ま・マイペースで物事を斬る人間は天狗になれない。