エメラルド・ウーマン《深窓の令嬢ダブリュー編》〔30〕器量の良しあしも人生を決定付ける重要な要素になることはいわずもがなですが里子自身は少し違う一点に照準を捉えすぎていたように思うのです。スポーツエリートの最前線を見たときにこんなことやってる自体、みんなから遅れてしまうことに気がつく。そのスポーツエリート養成学校は自宅にいながら週三回くらい通って、心身を鍛錬するカリキュラムに枠組まれ、その家にいながら・・・という着目点が里子の心をキャッチしたのです。娘達をそろそろ寄宿舎から引き取って、それぞれの道を歩かせる為に、まず子供の心を充当に癒さないといけないのです。父親の役割をする人はいましたが月三回の面会は相当きつくなっていて一回でも大変なのにそれをしっかり整えてきた前夫からはよりを戻すことを話し合わないか?と弁護士を介してですが申請があっていたものの里子は自分自身が億劫になっていてすべてのことから逃避に向かっている様相を呈していただけにこの憂鬱の受け止め策が改悛の情とも化けるだけに、危機感を炙りだしていたのです。家で子供達と普通に生活し、やがて落ち着いた頃にスポーツエリートのような、しかも文系路線に子供達をセッティングさせる・・・と。今で言うと、秘書課コースを含めた作法も踏まえるキャリア路線を頭に描いていたのです。