エメラルド・ウーマン《深窓の令嬢ダブリュー編》〔29〕渚は仕出し屋の娘でそこの食堂は支部でもよく注文し出前が来てみんなで食べた記憶があって、自分の家のご飯なのに彼女が全くそれを評価しなかったことが急遽蘇ってきます。彼女は完璧なイエメシを普通に見送っていたのです。支部のみんなが美味しいわね!!って食べているときにもコンビニのオニギリとスムージー。何か見つかるかもしれない!!そう思って彼女の実家の仕出し屋を尋ねます。店主は里子を知りません。店の中にもテーブルと椅子があってそこで食事も出来る構えになっていたのです。出て来た定食を見てこれが大事!!と里子は一品も漏らさぬように頭に封印します。まず卵焼きでダシマキではありません。魚は以前は焼き魚でしたが魚フライに変わっています。カボチャのフライも付けてありお刺身もあります。鰤三切れ。そして大豆の煮物にほうれん草の煮浸し。かと思うとマヨネースでソテーされているようでいい香りがプーンと漂ってきます。このアレンジならワンコイン出してもいいな!!っていう気分になるしデザートは林檎でした。ご飯の部位は仕掛けがあって三食にしているのです。シラスの掛かった部位。そして振り掛け部位。もう一箇所は高菜なのです。三食ランチと銘打った処もさすがで、里子はこういった両親に育成されて今在る渚のミテクレの豊富さを思うのです。