サファイア・マン《面白い男編》〔136〕彼の野球スキも理解してあげないくらいキチキチの処まで自分は追い込められていてもその恨みを彼に明かすことはなく、生の試合を平和台球場まで観に行こうよ!!と券を貰ったみたいで彼に誘われたときだけは驚きます。心のどこかで嬉しかったのです。球場までいくのと家で観るのとは全然違うし彼を見直してしまうのです。自分では冷たくする積もりでも、彼がどうしようもない場所で篭城している小動物のように見えてきて、為すすべはなくとも夫婦とはこういうトリックの元にいるかもしれないな・・・とある意味観念するのです。その西武対○○の試合を観るときに一番下の子を時間保育に預けてみて別の時間が生まれたようでドキドキしてしまうのです。こういった保育園にはずっと以前も上の子でお世話になっていたのがすっかり忘れてしまい自分が家の中で陰鬱としていた姿がしのばれます。この子が生まれてどんどん環境自体が変化していき、彼の心もいい方向へ傾いているのにその好機を逃してしまいそうな自分の偏見と短気。もっと心を柔軟にして、彼を牽引しなければならないのか?しかしあっちは十三歳も年上なのです。自分を翻弄する彼の性根が腹に据えかねていて、どっちにしても彼がまだ会社に報告していない事実は変わらなかったのです。