ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔191〕貴重の定義をその頃すでに解読していたキャロルです。そして伝書鳩の法則も・・・。もちろんみんなに隠そうなどと想ってもいないし、貴重の法則は手に入らないものがどれほど価値があるのか了承済みだった・・・ということです。自分が追い求めるものが手に入れてみるとそれほどでもなかったことで、これは結婚にも合い通じる合鍵であることに気がつくし、恋が持っている魔性にも目覚めたい!とそこをインドアにします。なぜなら恋を描けない作家なら歴史小説家でもいいからです。出自に拘り、自分を最大限に生かすべく人生を捉えず、まだ、二十歳の頃は、多くの視野を持つことで一致していました。それでも周囲との軋轢に迷うのです。高卒とはいえ、みんなが正社員に就いたことで、父も手に職を付けることをえんえんと説こうとしました。しかし父が説いているその渦中に於いてキャロルは居なくなるのです。それくらいの自信の鼻息があったのです。自分が理想の人と知り合い、最高の環境を獲得することが作家の成功とは捉えてはいなかったし、音楽ツールを頼りにしながら様々な人々の悲哀を描こうとしている最中でした。しかしもっとも思いを架けたのがやはり通常の枠組みにいる人々で、その内心を描くことこそが脈絡にたける地点だという結論にいたのです。父の娘への思いは辛辣でした。