イエローダイヤ・マン《標榜編》〔194〕俺はどうしてもチーズハンバーグの生地に馴染めずとうとうこれを購入してみる。ドラミちゃん子供弁当だ。するとこのハンバーグは全く違う味なのだ。何だかスっとくるものがあった。母の作ったハンバーグの味に近いところまで到達していたからだ。母は冷凍食品を使用したことがなく、俺の弁当はいつも友達の輪の中で秀逸と誉めちぎられた。が・・・しかし俺はそういう満足がいつか人を傷付けてしまっていることに気が付く。親友のおかあさんはいつもほっともっともおにぎり弁当を持たせていたのだ。その弁当と俺は交換したこともあった。美味しくてなんともいえない味わいがあったが、その友人はそれを持っていくことで、ひやかされることが辛かったと俺に零した。なぜなんだろう。弁当ならみんな堂々とそこに陣取っていいはずだ・・・と。しかしその友人は俺が交換宣言をしたことで、助かった!と己の本音をぶつけてきたのだ。母親が長くほっともっとにアルバイトにいっていたらしい。まさかそれで?わかるような気がした。どんな時にも、職場のみんなに気を遣い、売り上げをちょっとでも伸ばそうとしてのお手伝い?俺はその時から、世間の主婦を見直すように豹変したのだった。・さ・として、境を設けろ!!公僕だ。