イエローダイヤ・マン《標榜編》〔172〕俺はほっともっとがモットーかもしれずそこに気が付く自分が相当にノスタルジックで少し親父に対しての反発も混じっている。俺が父親と一緒にそこの弁当やの前にクルマを止めているとき、父は自分は買うこともなく、そこに買いに来ている主婦をけちょんけちょんに言っていたのだ。俺は母がこうして月に二回くらいは今日はほっともっとデイにしてくれない?って持ち掛けてきたことが嬉しかったしそのときは父と出掛けたものだった。お湯を入れればすぐに味噌汁になるカップを買う主婦を見て、父は、ああいうのは主婦じゃない!と小声で言っていた。非難とまではいかないが、きちんと三食を作る義務が主婦にはあると思っていたし、その不満が俺ではなくその主婦をののしることで鬱憤を晴らしていたのだが父はいつか・・・自分も購入するようになって、そのホットモットデイを楽しみにするように変貌したからバツも悪くて俺は問い質した。一応議論する余地を見出していたからだ。父はこういった。あの味噌汁カップを購入する主婦達も、忙しかったりいろいろな事情があってのことだろう・・・それで?いちがいに主婦の鑑じゃないとはいいきれないな。それからはずっと母の意見を俺は念頭に置くようになったのだ。