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サファイア・マン《面白い男編》〔131〕人生に於けては、かなり堅い路線を歩いてきたはずのシゲルちゃんの意外なるポカを観たことが、自分を創作的にしていくどころか、逆に金銭的に追い込まれていく結果になるなど想定外で、もしもこの大橋時代が希望に満ちたものだったならキャロルは普通のお決まりのコースしか選択のしようがなかった、そこを思うとなるほど、恵まれていたのかも?と今は回想します。お金がない。しかし彼には預金がたっぷりあって、何の心配もふたりの将来にないのです。この究極の設定はキャロルをこう戒めます。もしかしたら、最も楽な道は、彼にしずしずと従って、それこそ頭を下げてお金を貰って、日々丁重に過ごすこと、彼を尊厳の的にしながらですが、そこは絶対にこなかった。彼が違反をしたからです。人生でもっともキャロルが軽蔑することを彼が強行したからです。相手の人格を深く傷つけることを彼は平気でやった・・・そのことが本当はキャロルにとって打撃なはずなのに、ここで反転しはしても倒れてしまわない方法を考えたのです。未知との遭遇のようにスリリングなものでした。自分の力でお金を捻出すること。しかしまだ、戸惑いはありました。これは最後に尻拭いをする役者が存在したからです。