俺には姉が三人いてそのことが、貧乏であっても楽しい我が家を作ることに寄与出来たし、姉たちは全員スリム。体重が三十キロ台もいて、それを思うと俺はいい環境で過ごしたなあってありし日の家庭を思う。女性の気配りで一日を明るく過ごせることを俺は小さい時から見てきた。姉たちが川に洗濯に行くときも俺はなるべく木切れ拾うようにした。付近一帯で共同風呂が一基あり、そこで部落のみんなが交代でお湯にあやかった。俺は紅顔の美少年でその共同風呂のことを思い出す。青春そのものなのだ。俺が入っているのに入ってくる。女子達がだ。俺は中々風呂を出ることが出来ず苦悶する。もちろん嬉しさもあった。なぜ、俺がサシスセソに拘るか、母親としての加点がそこに潜むと思うのからだ。みんなも納得だろう。俺は姉が三人いても、シャツのボタンが取れたら自分で縫う習慣をみずから付けた。姉達が苦労しているのを見ていたからだ。自分のことは自分ですべき・・・この所作を小さい時から身に付けた。今・・裁縫などというとまじで笑われるかもしれない。このニッポンからそういう仕草が消えかかった今こそ、俺は裁縫道具を見直したいのだ。デルスカイしておこう。ワンセットの中に何がある?だ。