イエローダイヤ・マン《標榜編》〔165〕昨日だった。1995年とその翌年の野茂英雄の映像を俺は観て改めて野茂の凄さを知ることになる。当時俺は九歳でまだその映像を見ていなかった。トルネードを封印し翌年、ノーヒットノーランを記録する映像も圧巻ですべての要因が揃っていると感動する。投手だけでは勝てないし生まれない記録だが詳細を見て俺はある程度の材料提示があるな・・・とチェックしてみた。まず勝っていることだ。仲間のリードがあった、援護点が一点内外のときと五点なら全然違ってくる。それと試合時間が二時間遅くなったことだ。普通なら投手にとってのマイナスだろう。しかし野茂はそれをプラスに出来た。そこに俺は驚き以外の何かを感じる。記録は作ろうとして出来るものでは決してないが、八回を迎えるあたりから野茂の顔は引き締まる。そしてベンチの誰も彼に物をいわない。余計なことを言って記録がダメになることを恐れるからだ。そしてそこにもチーム一体のカギがある。いつでもかつでもこうなければならないなら、162日の撃破は難しいが、162日の中に含まれるのだ。完全試合ノーヒットノーランはどの投手にも毎回チャレンジの機会が与えられている。しかしその栄誉は簡単には受け取れない。天候、援護点、投手を含む仲間の守備、投手の状態の良し悪し、そして^^球運・・・フィールドにいる野球の女神は、その偉大な記録を後押し出来るようにいつも見守っているのだ。