サファイア・マン《かけがいのない男編》〔128〕まだその頃のキャロルは伯母との接点が滅多にありません。伯母は伴侶が入院で毎日それを中心に動いていて福岡のキャロルのハイツを訪問したことがなかったのです。そういう伯母と離れていたにも関わらず、九州銀行の行員と結婚したということを耳にして電話で言って来たことが驚きを呼んできます。伯母とかつて一緒に勤務していた教員仲間の伯母にとっては従妹になる女性のご子息が行員になってたはずだよ!って言ってくるのです。電話のやり取りで、ふ~~んと思ってそれは偶然にしては凄いな!ってそれを母に話すと、目を丸くしてはみるもののそこまで、感動はありません。母は激動の時代を潜り抜けて今日あるのかな!って一瞬推測します。それともここでの刺激が母の頭を蒙昧させてしまったか・・と。しかしながら鮮明に覚えていることがあったのです。まだ小さい頃、小学校低学年の頃にカッコイイ人が、武士の塊のような紅顔の美少年が法事で我が家に来たことがあったのです。あのカッコイイ人は誰?って聴くと、あなたにとってはハトコになるのよ!って言われてそれから我が家にはもう来ることはなかったあの青年。そしてまさか、その人物がキャロルと知り合う前にシゲルちゃんと同じ支店で働いたことがあった・・・そんな衝撃のイキサツはあとになって判明するのです。