サファイア・マン《かけがいのない男編》〔127〕主婦なら誰もがそういう一面をもっていてカレーライスにすれば少しは寛げる・・・という思想です。母も慣れない家に来て、そういった苦しい局面で子供達も喜ぶカレーライスを作ろう!!とルーを買ってくるように長女に指示します。子供達もやった!!と歓喜し、早く作ってやれば良かったなと母も思います。しかしそこでとんでもないことが起こるのです。帰宅したシゲルちゃんにもカレーライスを出してしまったことが痛く母を窮地に追い込むのです。早速病院に翌日きたシゲルちゃんは開口一番こういいます。お母さんは何か勘違いしているのではないか?カレーはおかずじゃないぞ!って。キャロルは怒り心頭になって開いた口が塞がりません。お母さんがわざわざ出産の為に長崎から来てくれているのに・・・でもこう思うのです。貧しかった少年が銀行に入って出世コースを歩いてきて、持っていた純粋な気持ちをどこかに置き忘れてきたんだなっていう行・・・。そこでしゃかりきになって叱るより、より観察が要る場面で、彼は女子をとことん低く見積もっていることが明瞭。本当に銀行の中はどうなっているのか?とフシギに思う。それでも自分はまだ、身ふたつになって、これから産後の肥立ちに務めないといけない身。自分をいたわることにするのです。