ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔183〕浜屋の婦人服売り場に中学校同窓生が勤めていて、その頃、携帯はまだないものの気が向いたらいつも売り場へ行き彼女が仕事が終わるのを待っていました。とても好感の持てる彼女でスリムでした。売り場では様々なお客さんの接客をしていて、思えば入社して一年と数ヶ月は経っていたのでしょう。高攻生から一転して彼女は昔の言葉で言うと、ビューティアドバイザーに変身していたのです。そのレジには子供服もあってジェネレーションが豊富、自分の本屋と似ているなあ・・・ってまず思います。試着なるものが立ち読みなのかな?とアタリをつけますが昔であってもは試着し買わない顧客もあって今と風情は変わりません。上司と思しき女性にアレコレ注意されても顔色ひとつ変えず、自分立脚を崩さない彼女はいつもキャロルの憧れで、結婚して東京に行った時も相当に羨ましくて、キャロルにとっての彼女は手の届く理想像・・・。彼女はいつ、どこで、その人格を築き上げたのか?小、中学校時代はほぼ外で遊んでいたのです。彼女の弟がキャロルは大好きでカワイイ少年で家までいってバドミントンするのが楽しみだった・・・デパートで彼女は終わるのを待っているキャロルを全然不憫には思わず、それでも、もう少しかかるけど待っててね・・・と声を掛けてくれる。申し訳ないなと思うくらい優しかったのです。