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サファイア・マン《面白い男編》〔125〕みんなもアレ?と思い当惑するかもしれませんが、キャロルが脇田大佐のことを詳しく知りたい!とそう思ったのは五十代過ぎてからです。三十一歳のまだ未熟なキャロルが心配したのは母がシゲルちゃんと喧嘩にならないで欲しいということだけで、子供達の面倒も無難に看てくれる、そういった信頼はありました。ただ、母にはまだ人間としての自尊心があったのです。留守宅を預かる為にわざわざ長崎から来ているのにおかずの種類が少ないことでナンクセを付けられるなど予想だにしなかったこと、病室に駆け込んでいってそれを娘に伝えたくても母には自制心があってそれが言葉を慎重にしてしまうのです。ね?って唐突に言ってきます。この結婚・・・まるで、狸とキツネの馬鹿し合いのように見えるけどどうなの?って。その時キャロルは母がやはりタダモノではなかったな・・・とそう感服するのです。そしてこんな重い赤ちゃんと一緒にいて、すでにベビーカーを押して歩くことからリタイアした母を心底労うのです。母はタクシーで行き先を告げて病院まで来ていたのです。一歳一ヶ月の娘も一緒でした。新生児に対面しててその喜びも束の間、そういう素晴らしい時間帯にでも母は正面きって物事を一刀両断出来る人物だったようです。キツネが彼でキャロルが狸かあ・・・って。馬鹿し合いとは馬鹿試合なのか。