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ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔179〕あい変わらず自分の世界に閉じ篭る母にも新しい動向が見受けられてキャロルは心底興味深く思います。数少ない人物といえる友人の影響を受けて母がお料理教室へ出向く姿が嬉しかったのです。母は一切他人との接点を持たないタイプかと思っていただけにこの変化が意外でした。お料理教室がすぐ近くの支所であったのも良かったのでしょう。キャロルはどれくらい長続きするか?などとは思いません。どんな習い事にも終わりはあるからで、それよりも母がそこで、人と話をすることが有意義に思えてならなかったのです。フルーツをふんだんに使用のフルーツカレーを家に帰って作ってくれたことも覚えています。ハトシも恐らくこの時、習ったものでしょう。自分の家に帰ってひとりで出来ることが物事の基本でその為にはレシピは必要だった。この言葉自体ありません。献立表でしょうか。キャロルは毎週のように新しい料理にチャレンジする母を意気に感じ自分を置き換えます。そんな風に人生を送ることが出来るのなら主婦冥利に尽きる・・・って。しかし母は一階に棲む人々にその料理を分けようとはしなかった。その頑なな態度はキャロルに核家族の到来を刻ませたのは言うまでもありません。人は体制に飲み込まれるのではなく自分でその体制を作ることを知らされるのです。