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ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔179〕書店の地下にはレストランがあって、チボリといいます。なんというカワイイ名前でしょう。そのチボリでキャロルはとんでもない目に実は遭っていました。うちの実家の横は長い間、大学生の下宿があったんですがその寮に遊びにいって親しくなった男の子と約束していて、待ち合わせにとうとう現われない、すなわちフラレルという経験をした因縁の場所。そのことがネックにあって、この場所はほろ苦い場所だったのです。まさお君とこのレストランへの道を下ってみたいな!と思うもののキャロルと彼はいっこうに会えそうもありません。頼りとしていたのは文通でした。手紙を書いて送ったのは百通以上で、彼が小倉から帰ると諫早へ送っていました。彼からの返信はありません。片道通行の悲しみにもめげず、キャロルは筆マメ過ぎるのかもしれない・・・と己を反省し、やがてアーケードの紳士のお店でトレンチコートを購入するのです。白に近いベージュで一発で気に入ります。まさお君に急ぎ持参するとそれはそれは気に入ってくれるのです。今でいうと9800円くらいだったと記憶します。コートは一年中着れるくらいの軽いもので洗える材質。親身になってしまうこっちの気持ちとは裏腹な温度差も少しずつ生まれてきていて、それでもなんとか別れないでいたのも音楽への思いが双方にあったから・・・。この共通項が大きかった♪