イエローダイヤ・マン《標榜編》〔77〕俺は長崎にもいたことがあって、今の社の面接でも聴かれた。ほんの2年だったが、俺はその質問に答えられず苦慮する。長崎にいたときはどんな場所に行きましたか?俺はペンギン水族館とだけ答えてあとの質問を恐々聞いていた。もちろん色々な場所に行きはしたのだ。それでも自分の手元でゲームばかりして本当の景色を見てはいない。唯一鮮明に覚えているのはあのオランダ村で、そこへはハウステンボスから船に乗っていった。両手でロープにぶら下がり、あっちまで行くライダーコースターが面白くて俺が何度もそれに嵌ったことが懐かしい。長崎の歴史に俺は疎いが、それもあってか、おとつい神近氏のことが新聞に載っていてそれを図書館で見つけた俺は全文を隈なく読む。ハウステンボスやこのオランダ村に造詣の深い彼がもう一回古巣での挑戦と相成った経緯に俺は感動した。古老とはいえこの場所にゆかりがあって、それだけではない今回の招聘だ。何か素晴らしい絆を俺は禁じ得ない。なぜなら年齢は関係ないからだ。トランプ大統領も七十歳古希の挑戦だ。神に最も近い・・・ともとれる苗字だし見守りたいと思う。ポートホルンを開業しそこに新たに免税店も導入してくるという。長崎はキリスト由来の神聖な場所だ。恐らく時々刻々と善戦することだろう。