ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔173〕タクシーから降りてキャロルは再び同じ問題についてをうじうじ考えたりはしていません。自分は父のいる家を大嫌いで家を飛び出た!!父に迎合するのが嫌で出たはずです。まさお君の生い立ちをまるで体を成していない浮き草のように父は罵倒した。このことが許せなかった。それが立場を替えると運転手さんから見ると全然違う答えを付きつけて来る。事なきを得る人生とは相当に難しいことを示唆しているし、正論の異議や移譲についても及びます。自分が正しいことは完全に一般に人々も同じでないといけないのか?それを言っている限り、破天荒な生き方を選ぶことは出来ない。少なくとも、父とは相反する人生を選びたい自分ではあったけれど、家に電話をしてお母さんに声を聞かせて安心させるべきなのでは?運転手さんのアドバイスはキャロルの心を動かし、いつかはそうすべき・・・との結論に達します。お母さんを安心させることのないままでは逃避行で終わってしまう・・・・小倉の空の下にいること、そして元気でいること、もう帰りたい自分で居ること・・・問題はここでした。自立心が疑われる三番目。いつでも楽な方に動いてしまう自分の弱さでした。母は恐らく見抜いているだろう。この三番目がある限り電話は出来ない。優しい強い運転手さんの叱咤激励もまだ適用は難しかったのです。