エメラルド・ウーマン《深窓の令嬢ダブリュー編》〔9〕銀行が盛んにいっていたことが十年前ですが現実になってしまいこの東北を襲った激甚火災が人々をもう一回、銀行って安全なんだなって思わせたことが里子の脳裏を掠めていたのが根底にあって、タンス預金の危うさ。これだけ貯めていたんですよ・・・を証明出来ない。そもそも隠していたからそうなった。バンクに預けておけば良かったのに・・・誰もがそこを痛感しそのタンス預金にも匹敵するのが政府の年金制度で、利発な若者たちが主軸となって幾つもの年金プラン会社が建ち競争の倫理を彷彿としていましたから里子は本社へ向けて論文を出していました。そういったメール論文は世界の尾根を超えて飛び交い、外国資本を取り付ける核心の部位にも相当で、保険会社の抜本的改革にも繋がる戦略的部位にもなっていたのです。バンカーがあの火災で、明瞭にタンス預金の危うさを立脚したように・・・保険会社がなすべきは健全な老後の保障でそこをクリア出来た会社は生保として相互会社としての位置を成す。しかし若者たちがやろうとした保険枠組みや年金はほぼ破綻寸前の状態で、里子には行き筋とシニスジを分ける仕分けが整いつつあったのです。行政で賄える部位とそうではなく民間企業でないと死に筋になってしまう域です。