サファイア・マン《かけがいのない男編》〔113〕病院から出産で頂いた育児日記も福岡にいった頃に途絶え、どこかに放り出したまま自分の今後をどうするか、そこに奔走しているさまが浮き彫りになります。後年この育児日記が見つかって自分がこういう健気な人間だったのか・・・・と驚愕するのですが、シゲルちゃんに対する感謝の気持ちで溢れ、なぜ、そういう幸せにあやかれたかをしみじみ噛み締めている文章なんです。これでもか、これでもかと、自分自身の感謝の気持ちを引き出し文章に表わしているんですが、1600CC輸血になって母子ともに危なかったことをすっかり忘れてしまっているそのことにもびっくり。母などは病室に来て、そのときの恐ろしさを吐露したくらいです。一度も病院にシゲルちゃんが現われなかったからです。なんでこう冷血漢なのか。。。そこを母は速い間に見抜き、自分が矯正出来ればいいのにな。という気持ちでいたようです。この自然分娩がなければキャロルは帝王切開を選んでいない。妻の難産に対して結果的に彼はしかとを強行したのです。もちろん銀行にも電話しています。生まれたとき、退院するあと三日というとき連絡を入れています。計二回です。がけっぷち大好きというスケートの羽生君のようにはまだその時点ではなれていないキャロルです。そういうガケップチが自分をさらに強豪にしているのにまだ無頓着であったのです。