サファイア・マン《面白い男編》〔110〕実験材料にしてまで、彼の想像能力を確かめたかったのは彼が腕利きの元バンカーなのかそれともただの老人なのか査定もあったのです。伯母が減額をすることはシゲルちゃんには想像できた、しかし半分にまでするとお里が知れてしまう、それくらい恥ずかしいことだと伯母、シゲルちゃん同位の倹約家の標榜からしてマチガイのないところ、シゲルちゃんは七万は確実とずっと信じきっていた。現実がどうあれ、妄信するのがニンゲンの依存心で、彼は一万になったことなど想像だにしていません。しかし退院して何回も父や伯母にも会う機会が出てそれでも何も言われないことに彼は刑事のような勘を張り巡らす・・・・やがて、こう言うのです。ネコババしたニンゲンがいる!!キャロルは彼の言葉にがっつり動揺します。それでも平静を保ち、だ、誰がそういうことやるの?出来るの?シゲルちゃんの少年のようなヒトミは純粋に眼光を切り裂きこう言うのです。複数いる、仕組まれたな!!俺は・・って絶句するんです。もう戻らない金のことよりシゲルちゃんは安易に信じた自分を責めています。しかし伯母だけは全貌を知る故にこころもとなかったでしょう。金を仰山もつ人間が腹黒いのではないのです。