イエローダイヤ・マン《標榜編》〔18〕歴史を象るのはメディアかと思いきや全然違っていて今期限りで引退したオルティーズがその礎を作ったと俺は思う。この大物選手が引退するのは惜しいとニッポンの解説者は誰もが惜しんだが、俺にはその同じ言葉の連呼が耳元で痛かった。もう少し違う言葉で彼を言えないのか?オルティーズは家族との時間を第一に考え引退を表明しているのに、この成績を見るともったいない、なんででしょうね?来季のレッドソックスは一体どうなりますか?などと成績イクオール金銭との換算で、いかにニッポン人が中身がない民族かが丸出しで俺は残念だった。MLBは録画して全部観るように後半は環境を整えた。アメリカのすべてがこの大リーグには宿っていて、そこでのイキサツを知らないままでは語彙コーナーを任せられるには不適切だったし、そこに気が付かせてくれたオルティーズはやはり並大抵の選手ではなく、引退記念としてもらった自分が壊した機材を持っては帰らなかった。オリオールズの球場に置いて帰ったあの姿からニッポン人は気概をもらえないなら嘘だろう。あの機材を持って帰るということが何を意味するか、彼は知っていた証しで、もっと堂々としているべきニッポン人だ。俺はこの反省しなくてもいいことでも反省するニッポン人の気性が嫌で嫌悪感すらあるのだ。