ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔162〕おばさんがよく買い物にきてキャロルの仕事ぶりをチェックしているのか、その素晴らしい観察力にキャロルはたじらじになります。みんながちゃんと働いているかどうかをチェックしたいのならこのおばさんの手腕こそピカ一で、そうやって、現場に来られることがどれだけ、本人に打撃を与えるのか?例えばおばさんはわからないようにやって来て、様子を見て、それだけで帰ってしまうこともあったのです。自分の仕事は完璧ではないにしろお店のみんなは好感を持って接してくれて、キャロルは段々上達していくのです。客慣れととでもいうのでしょうか。レジも結構面白いという発見に至るのです。その他の仕事は一切言われません。あなたがレジに立っているだけでいいのよって、そういう厚遇にキャロルが驚くのもよろず屋と呼ばれる商売のレジは、風呂やの番台のように目立つ位置、それでいて監視のような役割もしていて、とても有意義になったのです。それに加えておばさんからの監視?人生の序盤で、キャロルはこういうスーパーの中身をしたたかにも吟味していて、荷物関係や品だしなどを全部除けても、大事なものがある、それは顧客と相対する場所にいるレジ嬢、最近はレジボーイも増えてきて好感度のある係り員に出会ったときはこころが騒ぐのです。