脇田大佐は二回途中で、六十三球でノックアウトになった花形投手、ティルマンに心が充満する。それ程に大事な試合だったというのか、あのティルマンが初回からフォアボールを三個も出しておかしかった。しかしやはりエースだけあって、平常心を貫く面相が立派で、ベンチに戻っても表情を変えない。そこが夥しくて脇田大佐は感動する。投手がくやしがったり、そして泣きっ面を見せたりと色々ある中このティルマンは六十三球でノックアウトになりながら自分の心をほとんど表面に出さなかったのだ。そしてそういった意味ではプライス投手も同位で、滅多に喜怒哀楽を顔に出さない。笑うことも怒ることも滅多に無くひょうひょうとしていてニッポンダンジを思い起こさす。この大事な試合をエース投手で落としたのならこの先はかなり辛くなる。孫たちは上原投手がマンシーニという有望新人にデッドボールを出した時点で外出したからだ。ほなあ大佐、喜一郎定食お願いします。投壊は 起こるも彼は 気丈なり〔エースの中のエース級となればそこは普通のエースとは違うものなのか・・・〕