ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔153〕その頃のキャロルが意外なことで悩みあぐねていたのは父との確執で、父は度々、再三再四クラブを訪れてはまさお君のお父様のプライドや人格を傷つけていた。そのことに対する怒りとは別に・・・どこかで、こういう思いも実際あったことはしたためておきたい。父の言うような人生は送れずとも、父の娘である自分は従うべきでそれが内在してもいいのでは?という自分への疑惑。公務員万歳!!気質の父への反発はあってもどこかで、まさお君のお父様にはない部位への誇りも健在で、しかしそれを認めていたら、自分の人生が見掛け倒しになってしまうのでは?という危険性をすでにキャッチしていた様相が伺える。確かに無難な人生も格別だろう。明日の米にも憂いは無く・・・しかしそこをキャロルは安全思考として切り捨てねば!という強い本能あったのは事実。それにしても安全思考というものの姿勢若者には要らない。若い頃のキャロルはとにかく父への反発が旺盛だった・・・。母は貴女の好きなように駒を進めていいのでは?との姿勢。ここが助かりました。父の追い込む姿勢がやがてはまさお君とキャロルを北九州へと追い立てていったといっても過言ではないのです。