サファイア・マン《かけがいのない男編》〔91〕このコーナーが結婚したい男性群をより多く輩出することに一役を買えば美味でキャロルもしたためた甲斐がある。我が家も三十四歳、そして二十八歳、二十四歳の息子たちが他県にいますからどんなに結婚が暗礁に乗り上げているかがわかります。まず、結婚とは伴侶に飯を食わせないといけないからそれ相応の甲斐性が必要とされる。しかしどこまでもそういった食わせる志向では追いつかなくなっている・・・。キャロルは今、六十歳になって二度も結婚したことが有意義であったなあって改めて思っています。もしも単身で家にずっといて、それはそれで親孝行は出来たかもしれないけれど、父や母を見ていたからわかっていた部分あって、それは男子に家を託したいっていう願望がやはり両親のこころが見えていた。そして伸び伸びと弟が嫁を獲って幸せになるという構図を描いていた。勝手な話のようですが、母が弟をどんなに愛していたかをまざまざと観ていたということも起因しています。母はあの事件でキャロルが四歳で起こした事件をキッカケに自信を失くすと同時に、平穏無事というものの在り難さを身に沁みてわかっていたのでしょう。弟に対する教育方針も、それほど厳しくは無くみんなよりも少し優れた位置でも満足そうで、キャロルも思いっきり外で遊べたことを感謝するのです。