ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔143〕自分と同じ触覚をもっていてもあえてモノを言わない人種発見はキャロルをびびらせ、しかも方向転換の決意をさせます。キャロルは喉まで出ていたが言えなかった。相手の封殺です。自分はあえて言わない、こころで確かに思ってはいても・・・この姿勢自体、初めての出現で、子供バージョンは何回か観てはいたが、大人バージョンは初めてでその男性が社会的適応性を持っていたからこそでした。両親はキャロルの幼い頃からそれまで、こころの中に持っていることを言わないことはなかったのです。ほとんど言ってくれた。言わないときにはこっちが了承か相手が諦めたときです。しかしこのカウンターの男性はどこが違っていたかというとキャロルと距離を置こうとした一点です。みんながみんな人生では親しくなって打ち解けあうとは限らないんだな?っていう深い思慮がキャロルに生まれます。両親は本当に全く違う性格で、父は天真爛漫、母は自分の心が許した人としかしゃべらない。しかもそれでさえ、ヒトコトフタコトです。キャロルは全く性格真逆の両親によって、ふたつの意識対応性を持ってはいたもののここで転換的視座を獲得するのです。一線を画するという自体です。