俺が十年もして、バンカーとしてのキャリアを積んでいっぱしの世事に強くなったのは言えていて、サラリーマンとして十年を目安として俺は捉える。トラバーユもこれくらい経て鑑みることが大事。同僚でも辞めていった連中はどこぞの経営者の息子や娘が多く、昔の銀行ではつてでの入社も多かった。預金高の多い顧客や地元名士の御曹司が堂々この銀行では競い合った。今で行われないこういったあってはならないが当時の銀行であったことが俺を育てたといっても過言ではない。言うなれば、常識内にはいないこういった御曹司気質が俺を反発に駆り立てたりある時には、俺にアドバイスをくれたりするから人生ワカラン。これをデルスカイだ。育った環境が極貧の俺の常識と、裕福な家庭で育てられた御曹司とは量り方が違うのだ。お昼には茶付き幕の内を一時間たっぷりかけて食い、三時のケーキをティーで召し上がってた連中だ。俺には理解不能な常識だが切羽詰る俺に、やんわり冗談をかましてきて、それが勇気を与えたりしていたから異社会便覧や、異環境偵察がどれだけ勉強になるかいわずもがなだ。そういった意味では昔の銀行がイケイケドンドンだった一因にもなろう。