俺は今日朝、ノーアウト満塁になったときに出てきたマーリンズの打者が一球目を狙わなかったことを三回も厳重解説した。こういうときにピッチャーの第一球目は必ずストライクで、これこそ、観客として五十年以上野球を見てきた鉄則なのだ。フォアボールで一塁を出し満塁ケースの場合は百パーセント、第一球目はストライク。野球を観戦しているみんなにも言いたい。たとえ当たりは出なくともバットを出さないと始まらないのだ。三振してもいいから振りに行く野球を金本監督は推進、俺も同意見だ。振ってファールでもいい、当てているうちにもおのずとヒットは生まれる。そういう好機を逃さないというのは人生でも言える。ノーアウト満塁でも点数が入らないとすればそれを通過したバッターに野球のジンクスをまだ、飲み込めていないメンバーがいて、それも第一番目の打者であった可能性が高い。おれは口を酸っぱくしてキャロルに話していた処だ。いつでも振りにいく体制でいないとチャンスは相手チームに転がっていく。しかしイチロー選手が昨日に引き続きヒットがしかも二塁打が出たことは俺を快感に導く。オスーナが代打で出ていたがあれで充分だ。守備でも魅せるオチローのレーザービームを見たい観客はニューヨークにも一杯いるからだ。