俺はキャロルが普通の頑張り以上のスパルタを自分に課していることに感動して、結局一万円を今日振り込むことにした。以前の旅ではなかった感動が今回あるのだろう。俺も一か月ゆっくり過ごせたことを思うと、イイコトではあったな?って振り返る。人間ひとりになりたい時があると以前いったが、結婚も始終一緒は困る。足の踏み場もないような貧乏ならまだ話もわかるが。俺は中流ではない。恐らく下流の中級だと自分を見ている。その俺にもわたしの部屋ならぬ俺の部屋があるのだ。和室で、五羽の鶴が飛翔している掛け軸。これは義父からの新築時お祝いの品だ。そしてもうひとつある。まだ、福岡の南区大橋にいたころ、あいつが骨董青空市で買ってきた花瓶。有名な人の作品らしい。そこは鑑定してもらったわけではないゆえ絶対とはいえない。俺はそういった本物ではないかもしれないお品に囲まれてることが実は幸せで、本物か偽物かということよりもっと崇高な判断のもとにいる自分に気が付いている。このふたつが俺たちの結婚生活の目撃者なんだいう事実。デルスカイしておこう。掛け軸&花瓶だ。省略するとジッカになる。