押してもダメなら引いてみな!っていう言葉通りで、この大物キャロルと対等に張り合い勝利をものにしたいなら俺の戦略をやんわり紐解くのも一理ある。奴の弱点だ・・・。俺はそそれを三十年掛かってやっと会得した。それでもまだ十分とはいえず俺は絶えず苦悶する、立ち止まる、そして思考的にも淘汰されやっと結果らしいものを手にしている。戦略というかあいつに向かうときの対処法なのだ。人からお金を巻き上げることにたけるキャロルのような人材に相対するときには、絶対相手を増長させる言葉を吐いてはならず、それかといって自分の意見を言わないままではあいつは勘違いして、ずっと埼玉にいてもいいんだとの誤解に走ってしまう。糸の切れたタコ状態だが本人はそれに薄々気が付いている。しかし今の状態のままではいられないし俺のテリトリー内に戻ることが最も安全なこともあいつは直感で知っている。俺は対峙を避けてスルーするという作戦も今回取りつつ、あいつを冷酷にも冷徹に都会の雑踏というサバンナの中に放り出して傍観することにも意義を見出す。あいつは自己中心的なのだ。六十路になってもジコチュウでいられるいうのは創業経営者とか大富豪のみだと俺は高を括っていたがその一点に置いて俺は彼女を甘く見過ぎていた。正直いって男子の本懐の崩落にも及ぶ真相だ。デルスカイしておこう。バーチャンスルーだ。