サファイア・マン《かけがいのない男編》〔68〕あらかじめ上背の小さい男を選び母が人生を我が物にしたようにキャロもちゃっかり身長の低い男性を選んだ。それが幸運のツキを呼びました。キャロは再婚でしたがシゲルちゃんが初婚だったことも効を奏じたといっても過言ではない。結婚を知らないっていう事は、しかし何でも相手のなすがまま・・・ということではなくとんでもない暴挙も含むのか?っていうことにキャロが気が付くのも特有の執筆精神おおらかなりで、わかっていました。結婚して八月十七日に籍を入れたのに銀行に届けない。しかも籍を入れた年の冬で、今でいう処の次女は生後十ヶ月を経過してしまっていたのです。焦りと慟哭。なんで速やかに職場に届けないんだ?って強い憎しみが湧いてきます。シカシマテヨってなるんです。キャロが結婚して籍を入れたことにより、母子手当てがなくなって、もちろんシゲルちゃんが年収が良くて子供児童手当も出ない。キャロは色々調べて、長崎の両親に預けていた長女と長男二人を福岡の南区に連れてくることにするのです。シゲルちゃんに銀行に届けてもらうことが先だったかもしれませんが、キャロは直感のもとにありました。男という生き物が持つ優柔不断をしたためるチャンス。奴がどんな攻防に出るかを拝見したいな?って。