俺の年収は今から二年後激減する。毎月六万ほど減るのだ。それを見越してキャロルが迅速かつ堅調な動きを見せてくれて助かる。俺は事実、もう金銭を貯めていくという自信はなくなったし、子供達五人のうちの四人だけだが自活してくれたことを、よし!としなければと思い始めた。ひとりだけ俺の収入をあてにする子供はいるがそういうことを言うこと自体、贅沢に思える。俺は自立出来なかった子供に分配するしニートの要望に応えるうる容器になったことを自分でも素晴らしい前進だと評価する。もちろん自立出来なかったこの娘も必ずやいつか出来る日が来るだろう。俺の親友ともいえる大富豪がつい最近こう言ってきた。もう金を貯めようとは思わなくなったって。俺は最初超富裕層になることを彼が達成したからだと勘違いしてしまった。彼が言いたかったのはそういう軽い発想ではなかったのだ。この国の将来だ。そして無駄に財産を残しても有効に子供たちが使ってくれるのか?そこにも疑問符を。こういう金銭的サクセスを実行した人間の吐く言葉にこそ俺を魅了する何かがある。地中海クルーズでケサボイしておこう。金を貯めずに旅行することだ。