サファイア・マン《かけがえのない男編》〔65〕父も伯母も九十代を裕裕超えていったのには訳があって言いたい放題の人生だったといえます。父は自分の好きなこと、やりたいこと、全部に挑戦、そこを考えれば、ふたりとも長生きの秘訣を示してくれたし参考になります。まず思ったことを貯めず吐き出す。ここは肝心でしょうし、あの温厚な父が定年も待たず、ひと泡吹かせてやるぞ!と社会的挑戦に出たのも恐妻家であったからこそ。物事の二面性を知ることも必須ですよね。例えばキャロルは不運のように見えるが、それによってすべてを相殺出来るほどの強大な何かを会得したし、沢山の経験があるようで本当に記憶が鮮明なものはそうない、部分部分をしっかり掴んだだけで、それを組み合わせ、ストーリー展開していくのはこれからなのです。例えば今とっても結婚に憧れる女子がいるとすればその向こうには必ず結婚いいな!って思っている男子が存在するのです。ニッポンに生まれたからには美しい自由があります。きっと出会いを活かしていくことが出来る両者だし、結婚生活も始まるでしょう。むしろ結婚の中身よりも危機は意外な方向から飛んで来る。キャロルはそれをしたためる物書きだったからすべてを把握しているかに見えて、実はキャロルも傍観者なのです。そういえばなんだか安心でしょ?