サファイア・マン《緻密な男編》〔58〕その音楽教師はよくひとりで音楽室であの幻想即興曲を弾いていたこともあり、キャロルは先生の言葉を尊重します。この教師がキャロ作曲路線を揶揄していて、もっと別の試みから入ることをアドバイスしたのでは?と。付箋は重なるように入ってきます。なんとあのヤスベイが楽譜を書いてくれないか?って言ってくる。ロミオ&ジュリエットの曲をオカリナで吹きたいけど楽譜見つからないで困ってるって。キャロルはコレダ!!と思います。楽譜を友達のために書き起こす。これをまず消化することが優先と意気込むんです。この成果、彼女はロミオ&ジュリエットの演奏に入る・・・。肝心のキャロルはあることに実は機がついていたのいです。ピアノピースでAやBまでがキャロルが弾ける難易度で、CやDには正直追い着かなかった・・・。それなのに死角があったんです。確かにこの雨だれは不思議で、Dランクなのにキャロルが入って行けるくらいに容易かったんです。恐らく情感を出すという部位に難易度あって、指使いはBだったのでしょうが、キャロルにはこのDを弾くという優越志向が健在だったのです。雨だれは練習わずかで完成します。そして指の短いやっとこさ、オクターブ届くか届かないか?のキャロルの東高生活ラスト演奏が始まります。