ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔114〕あの頃からなんでも人から訊かれたことは答えるフレンドリーな性格で、そこは今も変わっていません。ましてや目上のママです。それに気がとっても強いから逆らえばどうなるか?一目瞭然でした。ただキャロルには領海線認識が顕著で、相手が何に挑戦しているかなどそっちのけ。ママは生クリームに牛乳を入れたら?とか、しゃかしゃかした後に冷やす時間や温度を変えてみたり、或いは、冷蔵庫にすぐさまぶっ込んだら?ととにかく美味しい方法、早く簡単に出来る方法、そしてコストのなるべく掛からない方法を自分の中で構築していて、そのときに何を作っているんですか?のヒトコトを質問しなかったばかりに、後でケチョンケチョンの恥ずかしい目にキャロルは遭う。ママは心でキャロルを訝ります。生クリーム、この娘は自分の家で作ったことはあるのか?という大疑問符です。キャロルは果敢にそこをスルーします。アルバイトで接客のみではなくお使いに行っているスタッフ。そこまで話す必要はなく、良家は良家で育ってもキャロルは母にどんな女性になってね?って注文されているのか?そこですよね、ママはあえて深く追求しません。母は女傑にキャロルを育てることが主眼としてあったということです。