ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔102〕恐らく血を分けた弟・・・相当に頭は切れる、だからこそのキャロルの観点で、弟は足が速いがキャロルは遅い・・・ここら辺で分かれはするんですね、弟には足の速さという天性のものが付与され、キャロルには穿った言い方で煎じ詰めれば感応でしょう。人気を博するというこの博の部位形成力。弟の純朴な瞳がキャロルをいざないます。少し成長してよちよち歩きに到達すると、後追いしてくるようになるのです。間の瀬、或いは現川、こういった小学校区域が間の瀬は五年生時、現川は三年時と分校から矢上小学校に編入して来ました。意外にも遠くまで遊びに出掛けていたキャロルは後追いしてくる弟が危険にさえ思えてきます。この頃に矢上では自転車に乗った少年が道路の脇で巻き込まれて亡くなる事件があって、キャロルが時々遊んでいた少年です。これは単なる危険ではなく弟なら必死で追いかけて来ていましたから危ないを通り越して理性が求められていたのです。キャロルは理性が何なのか、その辺のこころ構えに付いてまだ無頓着でした。両親は絶えず思想の面で争うにことが多かったのに、理性についてを語る時間は希薄でそれは伯母や叔母、タヤ、ヨッキちゃんの方がはるかに弁えてたと記憶するのです。